Salesforce Einstein / Agentforce
概要
Salesforce Einstein は Salesforce に統合された AI 層。現在の中核はエージェント型プラットフォーム Agentforce 360 で、推論エンジン Atlas は 3.0 に刷新され、複数エージェントを連携させるマルチエージェント・オーケストレーションが 2026 年 6 月 15 日の Summer '26 リリースで一般提供に入りました。Einstein AI と Data Cloud を基盤に、Sales / Service / Marketing の各クラウドで自律エージェントを運用します。
主な特徴
Agentforce 360(エージェントプラットフォーム)
Salesforce エコシステム全体で動作する自律型 AI エージェント基盤。複雑なマルチステップ業務を実行できます。
- Atlas Reasoning Engine 3.0 — 従来の決定木ルーティングに代えて動的な意味解釈でエージェントを振り分け、初回応答までの LLM 呼び出しを 4 回から 2 回に減らして遅延を大きく削減しました
- マルチエージェント・オーケストレーション — 役割の異なるエージェントを組み合わせて 1 つの業務を完了させる
- Agent Builder / Prompt Builder — ローコードでカスタムエージェントを構築
- 営業・サービス・マーケティングそれぞれに特化したエージェント
基盤モデルの選択
Agentforce 360 では基盤モデルを選択できます。金融・ヘルスケア・ライフサイエンス・サイバーセキュリティなど規制業種向けには Anthropic の Claude が優先モデルとして提供され、Google の Gemini も Agentforce 360 Platform と Atlas 上で利用できます。
Einstein GPT
カスタマーデータに基づいたメール・レポート自動生成。顧客固有の情報をもとにパーソナライズされたアウトプットを作成。
Data 360(旧 Data Cloud)統合
Salesforce のリアルタイム顧客データプラットフォームは、Agentforce 360 と揃える形で「Data Cloud」から「Data 360」へ改称されています(両名称とも公式サイトで併用中)。リアルタイム顧客データプラットフォームと統合され、正確で最新の情報に基づいた AI 応答が可能。
Slack 連携
Slack 上でも Einstein の AI 機能を利用可能。会話の要約、アクションアイテム抽出、情報検索。
プラン・料金
料金はアクション単位の Flex Credits が中心になり、従来の会話単位課金($2 / 完了会話)と選べる形に変わりました。
| プラン / 課金 | 価格 | 内容 |
|---|---|---|
| Salesforce Foundations | 追加費用なし | Enterprise Edition 以上に付帯。20 万 Flex Credits、25 万 Data 360 クレジット、Agent Builder / Prompt Builder |
| Agentforce アドオン | $125/ユーザー/月〜 | Enterprise / Unlimited Edition 上で利用 |
| Agentforce 1 Edition | $550/ユーザー/月 | 年間 100 万 Flex Credits 込み |
| Agentforce User License | $5/ユーザー/月 | 別途 Flex Credits が必要 |
| Flex Credits | $500 / 10 万クレジット | 標準アクション 20 クレジット(約 $0.10)、音声アクション 30 クレジット(約 $0.15) |
| 会話単位課金 | $2 / 完了会話 | 顧客対応エージェント向け。1 会話が 20 アクションを超えるなら会話課金のほうが安い |
前提となる基本ライセンスは Enterprise Edition($165/ユーザー/月〜)または Unlimited Edition($330/ユーザー/月)。Data 360 は別途従量課金。
代表的な活用例
- カスタマーサポートの自律対応
- 営業プロスペクティングの自動化
- マーケティングキャンペーンの自動生成
- リード評価・フォローアップ
- カスタム業務フローのエージェント化
強み
- ✅ Atlas 3.0 とマルチエージェント連携で複数ステップの業務を任せられる
- ✅ Salesforce のデータ・メタデータに直結したグラウンディング
- ✅ Data 360(旧 Data Cloud)でリアルタイムデータ連携
- ✅ 基盤モデルを選べる(規制業種は Claude、Gemini も選択可)
- ✅ 監査・権限・トラストレイヤーが整備されている
弱み
- ❌ Flex Credits がアクション単位課金で、利用が増えると総額を読みにくい
- ❌ 基本ライセンス(Enterprise $165〜)にアドオンが積み上がる
- ❌ 導入・カスタマイズに時間がかかる
- ❌ Salesforce 中心のため他 CRM 環境では恩恵が薄い
- ❌ 小規模企業には過剰