Suno
概要
Suno は、テキストプロンプトから歌詞付きのフル楽曲(ボーカル + 伴奏)を数十秒で生成できる AI 音楽生成サービスです。2023年にマサチューセッツ州ケンブリッジで創業し、「誰もが音楽を作れる世界」を掲げて急成長しました。ジャンル・ムード・歌詞を指定するだけで、ボーカル・ドラム・ギター・シンセなどが一体となった完成度の高いトラックが出力されます。
現行モデルは 2026年3月26日に公開された v5.5 で、音質だけでなく「自分らしさ」を作品に反映させる機能群(Voices / Custom Models / My Taste)が中核になっています。
主な特徴
1. テキスト → フル楽曲生成
「lo-fi hip hop about rainy Tokyo nights」のような短い説明だけで、イントロ・ヴァース・コーラス・アウトロ構造を持つ2〜4分程度の楽曲を生成します。カスタムモードでは歌詞・スタイル・曲名を個別指定できます。
2. Voices — 自分の歌声を楽曲に乗せる
60秒程度のドライボーカルをアップロードすると、Suno が「声の指紋」を抽出して以降の生成に適用します。アルバム全体で同じボーカリストを使い回せるようになり、Pro / Premier 向けに提供されています。
3. Custom Models と My Taste
自作トラックを6曲以上アップロードして v5.5 を自分用にファインチューンした専用モデルを、1アカウントあたり最大3つまで作れます。My Taste は全ユーザーが使える個人化機能で、好みを学習して生成結果に自動で反映します。
4. 歌詞生成と多言語対応
歌詞を自動生成する機能に加え、日本語・英語・スペイン語など多言語のボーカルに対応。日本語歌詞の発音精度も世代を重ねるごとに向上しています。
5. ステム分離・エクステンド・カバー
- ステム分離: ボーカル/楽器トラックを分離してダウンロード
- Extend(延長): 既存曲の続きを AI が生成
- Cover / Remix: 自分でアップロードしたメロディを別スタイルにリメイク
6. モバイルアプリ & Studio 2.0
iOS/Android アプリに加え、ブラウザ上の DAW「Suno Studio」で生成後のアレンジ調整ができます。2026年8月13日に刷新された Studio 2.0 は MIDI、オーディオエフェクト、内蔵シンセ(ウェーブテーブル)、オートメーション、楽器を生成するチャットバー(ベータ)を備え、Premier では 32bit/48kHz のマルチトラックとステムを上限なしで書き出せます。
プラン・料金
| プラン | 月額 | クレジット | 書き出し上限 |
|---|---|---|---|
| Free | $0 | 1日50クレジット | 生涯7回のお試し、商用利用不可 |
| Pro | $10(年払い $8) | 月2,500 | 月20曲 |
| Premier | $30(年払い $24) | 月10,000 | 月60曲(Studio 経由の書き出しは無制限) |
1曲あたり5クレジット消費。Pro の2,500クレジットで約500曲、Premier の10,000クレジットで約2,000曲分の生成に相当します。
2026年9月3日から、ダウンロードは単なる書き出しではなく「その曲を商用リリースするためのライセンス」という位置付けに変わり、上表のとおりプランごとの上限が設けられます。生成そのものはクレジットの範囲で従来どおり行えます。
権利・法務の現状
Warner Music は 2025年11月に訴訟を取り下げて和解し、ライセンス版モデルの共同開発と、コンサートデータ事業 Songkick の Suno への譲渡で合意しました。2026年8月12日には BMG ともグローバルなライセンス契約を締結しています(いずれもアーティスト側のオプトイン制で、学習データと生成結果の双方をカバー)。一方で Sony Music と Universal Music の訴訟は継続中で、2026年5月には対象音源を 560 件から 61,026 件へ拡大する申立てが行われました。Suno 側は Audible Magic と Musixmatch の Sentinel を使った電子透かし・フィンガープリントの導入も進めています。
また Suno は、レーベルと共同開発している「ライセンス済みモデル」の公開に合わせて、v5.5 を含む現行モデルを全て引退させると表明しています。公開時期は 2026年内とされていますが、正式名称・料金・移行手順は未確定です。
代表的な活用例
- インディークリエイター: YouTube / ポッドキャストの BGM、ショート動画用テーマ曲
- 広告・コンテンツ制作: 低予算プロジェクト向けのオリジナル BGM
- アーティストのスケッチ: 作曲前のアイデア出し、デモ制作
- 教育・アクセシビリティ: 音楽制作経験のない人の表現手段
強み
- ✅ プロンプトから歌詞付き楽曲をワンクリックで生成できる唯一クラスの完成度
- ✅ ジャンル網羅性が広く、ロック・ヒップホップ・J-POP 風なども対応
- ✅ 自分の声・自分の作風を学習させて一貫したアーティスト像を作れる(Voices / Custom Models)
- ✅ Studio 2.0 により、生成後の詰め作業まで同じ画面で完結する
- ✅ 有料プランでの商用利用が許可されている(上限の範囲内)
弱み
- ❌ Sony Music / Universal Music との訴訟が継続中で、対象音源の拡大申立てまで出ている。将来的に楽曲の権利関係や提供条件に影響が出る可能性があります
- ❌ 書き出しに上限がある(2026年9月3日〜)。大量に量産して選別する使い方はコストが上がる
- ❌ 現行モデルはライセンス版モデル公開時に全て引退予定で、作風の再現性が将来担保されない
- ❌ 無料プランで生成した曲は商用利用不可
- ❌ 歌詞の細かなニュアンス(押韻・語感)は人間の作詞家に劣る
公式情報
- Website: https://suno.com
- Release Notes: https://suno.com/release-notes
- Help Center: https://help.suno.com
- X (Twitter): @SunoMusic
使いこなし Tips
SNS・コミュニティで共有されている実践的な使い方
- Suno で歌詞タグを書くときは [Verse] のような素の指定ではなく [Sad, Emotional Verse] のように感情や歌い方を書き足すと、AIがそれをボーカル演出の指示として読み取ってくれる(出典: https://x.com/promptowy/status/1996139607172218997)
- Suno ではワークスペース間で曲を動かしたいとき、Shift キーを押しながら複数の曲をクリックして選択し、右クリックすればまとめて移動できる(出典: https://x.com/suno/status/1879269633704017934)