Harvey AI
概要
Harvey AI は法律事務所・法務部門向けのエンタープライズ AI プラットフォーム。法律ドキュメントに最適化された大規模言語モデルを使い、リサーチ、契約書作成・レビュー、デューデリジェンス、メモ作成、判例分析を支援します。世界 70 か国・2,400 以上の法務組織で 20 万人を超える法務プロフェッショナルが利用しており、Am Law 100 のうち 75 社以上が導入しています。
主な特徴
Assistant(対話型 AI)
法的質問への回答、ドラフト作成、リサーチ支援を行う対話型 AI。法務タスク向けに調整されたプロンプトとテンプレートが揃っています。
Vault(ドキュメント分析)
1 つの Vault に最大 10 万件のドキュメントを格納して一括分析できます。M&A デューデリジェンス、訴訟開示、大規模契約レビューで威力を発揮し、自事務所の過去案件・ひな形を参照させたレビューにも使えます。重要語句の抽出精度は 96% と公表されており、iManage・SharePoint・Google Drive と連携して既存の文書管理システムから直接取り込めます。
Agents(Harvey II)
案件を横断して法務作業を最後まで実行するエージェント機能。2026 年 8 月 18 日に発表された Harvey II により、エージェントは案件フォルダの文書・当事者・タスク・権限・履歴を引き継いだ状態で起動するようになり、依頼のたびにコンテキストを説明し直す必要がなくなりました。ユーザーの修正や指摘から書式・引用スタイル・文体の好みを学習して記憶し、Harvey 本体・Word・Outlook をまたいで引き継ぎます。
Workflows
マルチステップのプロセスを設定可能。契約レビュー → リスク分析 → 修正案作成といったフローを自動化できます。
採用モデル(自社モデル Harvey Tenet + 外部モデル)
Harvey は自社モデル「Harvey Tenet」を投入しました。法的推論に向けてエンドツーエンドで事後学習した初の自社モデルで、汎用の最上位モデルと同等の性能をオープンソース相当のコストで出せるとしています。外部モデルも併用でき、GPT-5.6・Claude Opus 5・Claude Sonnet 5・Fable 5 が Harvey 上で選択できます。
Collaboration Tools
権限コントロール付きのチームプロジェクト。機密性の高い案件でも、担当者のみがアクセスできるよう管理できます。
対応タスク
- 法的リサーチ
- 契約書レビュー
- デューデリジェンス
- メモ作成
- 判例分析
- 規制遵守チェック
セキュリティ
法律事務所向けの厳格なセキュリティ:
- SOC 2 Type II
- 機密保持
- データ隔離
プラン・料金
| 項目 | 料金 |
|---|---|
| シート単価 | 月額 $1,200 前後(規模・モジュールで上振れ) |
| 最低シート数 | 20 シート |
| LexisNexis 連携 | +$400〜$600/弁護士/月 |
| 年間契約の入口 | $360K 前後 |
料金は非公開で、1 シート月額 1,200 ドル前後・最低 20 シートが目安、年間契約の入口は 36 万ドル規模とされます。商談期間も半年以上かかることが多く、実質的に大手事務所・大企業法務向けの価格帯です。
代表的な活用例
- 大手法律事務所の M&A デューデリジェンス
- 訴訟開示(大量文書レビュー)
- 契約書レビューの効率化
- 法的メモの作成
- 判例リサーチ
強み
- ✅ Vault で 10万件ドキュメント一括分析(重要語句の抽出精度 96%)
- ✅ Harvey II のエージェントが案件コンテキストと作業の好みを記憶
- ✅ 自社モデル Harvey Tenet と GPT-5.6 / Claude Opus 5 など外部モデルを併用
- ✅ Workflows でマルチステップ自動化
- ✅ Am Law 100 の 75 社以上・2,400 法務組織で採用
- ✅ 厳格なセキュリティ
弱み
- ❌ 超高額(1 シート月額 $1,200 前後、20 シート最小)
- ❌ LexisNexis 連携は 1 人あたり月 $400〜$600 の追加課金
- ❌ 大手・中堅法律事務所専用
- ❌ 小規模事務所・個人弁護士には不向き
- ❌ 日本の法律には対応が限定的
- ❌ 料金が不透明で商談が長期化しやすい
公式情報
- 公式サイト: https://www.harvey.ai