Figma × Enterprise
Figmaが国内データに対応
先月まで、国内でのデータ保管が必須の企業はFigma導入を見送りがちでした。Enterprise向けに日本国内データレジデンシーが加わり、金融・医療・公共など規制業界での導入ハードルが下がります。
「国内保管必須」で
導入を見送ってきた業界
Figmaはすでに豪州・ブラジル・インド・欧州・米国でデータレジデンシーを提供していたが、日本だけが抜けていた。
Figmaは公式ブログ「Figma Launches Data Residency in Japan」で、Enterprise顧客向けにFigma Design・FigJam・Figma Slides・Figma Makeのファイルデータを日本国内リージョンに保存できる機能を発表した。設定方法はヘルプセンターの「Enable localized file hosting」で案内されている。
これまでFigmaが提供していたデータレジデンシーは豪州・ブラジル・インド・欧州・米国の5リージョンのみで、日本は対象外だった。今回の追加で日本は6つ目のリージョンとなる。日本はFigmaにとってアクティブユーザー数で上位5市場に入り、2026年6月末時点で日経225採用企業の3分の2がFigmaを利用しているにもかかわらず、国内データ保管が必須要件になる金融・医療・公共機関では導入自体を見送るケースが少なくなかった。今回の対応は、その導入障壁を直接取り除く動きだ。
日本では個人情報保護法(APPI)に加え、業界ごとの自主規制や監督官庁のガイドラインが国内保管を事実上求めるケースがある。海外拠点の多いスタートアップと違い、規制業界の企業ほど「クラウドツールの保存先がどこか」を調達段階で確認する文化が根強い。Figmaにとって日本は上位市場でありながらこの一点で取りこぼしてきた層があったとみられ、今回の対応はその隙間を埋める意図が強い。
対応リージョンは6つ目に
保存場所を日本に固定
Figma Design・FigJam・Slides・Makeのファイルデータを、日本国内のリージョンに保存する設定が選べるようになった。
Governance+と併用可能
アクセス権限やデータ保護を強化する既存アドオン「Governance+」と組み合わせて、より厳格な管理体制を組める。
既存5リージョンに次ぐ6件目
豪州・ブラジル・インド・欧州・米国に続き日本が加わり、Figmaのデータレジデンシー対応は6リージョン体制になった。
誰に効き、誰には関係ないか
金融・医療・公共のIT責任者
国内データ保管の社内規定やガイドラインでこれまで導入を止めていた部門にとって、検討を再開できる材料になる。
PM・事業責任者
規制業界の顧客・部門を巻き込むプロジェクトでも、Figmaを全社共通ツールとして提案しやすくなる。
個人・フリーランスのデザイナー
今回はEnterpriseプラン限定の機能。個人利用や小規模チームの使い勝手にはほぼ影響しない。
| 9月11日まで | Japanリージョン追加後 |
|---|---|
| データレジデンシーは豪・伯・印・欧・米の5リージョン | 日本を含む6リージョンに拡大 |
| 金融・医療・公共は国内保管要件で導入見送りが多かった | Governance+併用で導入検討を再開しやすい |
| 対象はFigma Design中心 | Design・FigJam・Slides・Makeの4製品が対象 |
決済プラットフォームを扱う自分たちにとって、Figmaを安心して使い続けられる後押しになる。
次に何が起きるか
上の声は、決済プラットフォームを運営するDigital Garageが日本リージョン対応について寄せたコメントの要旨だ。Adways Groupや東京科学大学(Institute of Science Tokyo)も好意的な反応を示しており、規制業界での導入検討が今後具体的に動き出す可能性が高い。
ただし過信は禁物だ。今回の対応はEnterpriseプラン限定であり、既存の他プランや個人利用のユーザーには恩恵がない。また競合の設計・コラボレーションツールも同様の国内データ対応を追いかける可能性があり、「国内データ保管」が規制業界向けSaaS選定の標準チェック項目になっていく流れの一部として捉えるのが実態に近い。情報システム部門は、まず自社の既存契約プランがEnterpriseかどうかの確認から始めるとよい。