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AI Dev Tools · Data Policy

Lovableの「学習利用」が、
既定オンに変わる。

AIでWebアプリをまるごと生成する「バイブコーディング」ツール Lovable が、Free・Proプランの利用データを既定でAIモデルの学習に使う設定へ切り替える。境目は9月9日——見落とせば、社外秘のプロトタイプがそのまま学習データ候補に回る。

AI Navigate 編集部·2026.09.03·読了 6分
DEFAULT: AI MODEL TRAINING Free 既定オン(9/9〜) Pro 既定オン(9/9〜) Business 既定オフ Enterprise 既定オフ Free・ProはAccount設定でいつでもオフに変更可能
01
What Changed

「既定値がなかった」時代が終わる

Lovable は、テキストのプロンプトから動くWebアプリを一式生成する「バイブコーディング」系ツールの代表格だ。これまでは、生成したコードやプロンプトがAIモデルの学習に使われるかどうかについて、プランを問わず明確な既定値が存在しなかった。2026年9月9日から、Free・Proプランの利用データが既定でLovableのAIモデル学習に使われるようになる。変更内容はプライバシーポリシー第5条と、公開されたばかりのサポートドキュメント「Manage training data and privacy」に明記されている。

学習の対象になる「顧客データ」の定義は具体的だ。プロンプト(添付する画像・ファイルを含む)、生成されたコード、プロジェクトファイル、ホスティング中のアプリケーション、設定、生成された出力——ここまでが対象に入る。一方で、アカウント情報や請求情報、そして生成したアプリの利用者(エンドユーザー)がアプリに直接入力したデータは対象外で、プロジェクト側のデータベースやストレージに留まる。


02
Who's Excluded

対象になるデータ、ならないデータ

Free・ProとBusiness・Enterpriseで、既定値がまるごと逆になる。

エンドユーザーの入力データ (アプリ利用者の投稿等) 常に対象外(共通) 顧客データ プロンプト コード プロジェクトファイル 生成物 学習コーパス Free・Pro(既定オン) 学習には不使用 Business・Enterprise/オプトアウト後
FIG. 顧客データはプランと設定次第で学習コーパスへ入る経路と入らない経路に分かれる。エンドユーザーの入力データはどちらにも入らない。
9/9
学習利用が既定オンになる適用日(2026年)
Free・Pro
既定オンになる対象プラン
Business・Enterprise
既定で対象外・DPAで別途保護

Business・Enterpriseプランのワークスペースデータは、既定で学習対象から除外される。この扱いは組織ごとのデータ処理契約(DPA)で別途定められており、任意設定ではなく契約条件として保護される。対して Free・Pro は個人アカウントの設定画面が唯一のコントロールポイントになる——気づかなければ、既定のまま学習に使われ続ける設計だ。

03
Plan Comparison

プラン別の扱いを整理する

Free・ProBusiness・Enterprise
9月9日から学習利用が既定オン既定で学習利用の対象外
Account設定でオプトアウト可能DPA(データ処理契約)で保護
対象: プロンプト・コード・生成物等ワークスペースデータは学習に不使用
エンドユーザーの入力データは対象外(共通)同左(共通)
04
How To Opt Out

今すぐオプトアウトする3ステップ

設定はいつでも変更できる。9月9日より前にオフにしておけば、一度も学習に使われない。

01

Account設定を開く

Lovableにログインし、Account設定の「AI model training」の項目を開く。

02

トグルをオフにする

「Use my Lovable content for model training」のトグルをオフに切り替える。操作は即時に反映される。

03

反映を確認する

9月9日より前にオフにしていれば学習に一切使われず、後からオフにした場合もそれ以降のデータは対象から外れる。公式FAQにも同様の挙動が説明されている。


「学習に使われたくなければ、自分で気づいて設定を変える」。
それがいま、AI開発ツール業界の既定値になりつつある。


05
Who It Hits

職種別に見る、実務への影響

開発者へ

個人開発や受託案件でFree・Proを使っているなら、9月9日までにオプトアウト設定を確認したい。NDA案件や社外秘のプロトタイプは、コードごと学習データの候補に入る。

経営・情シスへ

社内でFree・Proプランを使わせているチームや外部委託先がいないか棚卸しを。機密性の高い開発は、既定で除外されるBusiness・Enterpriseへの契約引き上げが選択肢になる。

PM・プロダクト担当へ

未公開の仕様書や競合分析をプロトタイピングに持ち込んでいるなら、それも「顧客データ」の定義に含まれる。設定確認をチームのチェックリストに加えたい。

06
What's Next

次に何が起きるか

同様の「オプトアウト型」の学習利用ポリシーは、AI開発ツール業界で広がりつつあると見られる。個人開発者やスタートアップが主要な顧客層であるサービスほど、無料・低価格プランの利用データをモデル改善に還元する動機は強い。同じ「バイブコーディング」領域でも、学習停止をワンクリックで有効化できるツールがすでに存在するとされ、既定値の設計は各社で分かれ始めている。今後、他の開発ツールでも同様の既定値変更が続く可能性がある。

実務対応はシンプルだ。①Account設定でトグルの現在地を確認し、②必要なら9月9日より前にオフに切り替え、③NDA案件や社外秘プロジェクトに関わるチームには今回の変更を周知する——この3点が当面のアクションになる。

07
Caveats

楽観だけでは終わらない

「オプトアウト」を既定にする設計は、批判の対象にもなりやすい。多くのユーザーは設定画面を積極的には確認しないため、気づかないまま学習対象になり続けるケースが大半になる、と見られる。Business・Enterpriseへの契約引き上げをうながす仕組みとしても機能しうる点は、割り引いて見る必要がある。

公開情報からは、既存プロジェクトの過去データが9月9日を境にどこまで遡って学習対象になるのかについて、明確な言及は見当たらない。「オプトアウトすればそれ以降のデータは対象外になる」という説明はあるが、すでに蓄積された過去データの扱いについては、今後の追加情報を待つ必要がありそうだ。