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Meta Split Aftermath

Manusのデータ削除騒動
復元は始まったが、まだ終わっていない

Metaとの資本関係解消にともない、AIエージェント「Manus」が一部ユーザーのデータを削除した。復元は8月25日(SGT)から順次始まっているが、対象は「一部法域」に限られ、対応を急ぐべき人とそうでない人が分かれる。何が起き、誰が今何をすべきかを整理する。

AI Navigate 編集部2026.08.25読了 7分

12/29 対象データの起点 8/22 19:59 EDT バックアップ期限 8/23-24 SGT 削除ウィンドウ 8/25 SGT 復元開始(今ここ)
01

What Happened

独立の代償としての
データ削除

Manusは今年4月、中国当局がMetaによる2,000億円超(約20億ドル)規模の買収を撤回するよう命じたことを受け、Metaから再び独立する形となった。この資本解消のプロセスの一環として、Manusは公式ブログ「A Note to Our Users」で、一部の法域・一部アカウントを対象にユーザーデータを削除すると発表した。

対象となるのは2025年12月29日以降に生成されたデータで、全ユーザーではなく特定の法域規制に該当するアカウントに限られる。削除自体は8月23日〜24日(シンガポール時間)に実施され、ユーザーはそれ以前にアプリ内通知とメールで告知を受けていた。バックアップの猶予は8月22日19時59分(米東部時間)=8月23日7時59分(SGT)までとされ、現地メディアの報道によれば、この期限を過ぎたデータは復元不能になるとされていた。

02

数字で見る削除ウィンドウ

12/29
これ以降のデータが対象
8/23–24
削除実施(SGT)
8/25
復元がSGTで開始

独立を勝ち取った代償として、
一部のユーザーは過去のデータを手放した。


03

Why It Matters

これは「1社の事情」では終わらない

米中対立下でAI企業の資本構成が強制的に組み替えられた、初期の実例のひとつ。

今回の一件が重要なのは、単なる企業間の資本解消ではなく、国家が特定のAI企業とビッグテックの資本関係そのものを強制的に解消させたという構図にある。Metaは2,000億円超を投じてManusを傘下に収めていたが、中国当局の命令一つでその関係が巻き戻され、結果としてユーザーデータの扱いまで変更を余儀なくされた。ユーザーから見れば、自分のデータのガバナンスが、利用規約の変更ではなく地政学的な規制判断によって突然揺らいだことになる。生成AIサービスを国境をまたいで使う以上、こうした「サービス提供企業の資本構造リスク」は今後も無視できないテーマになっていく可能性が高い。

04

Who It Affects

誰に、どう効くか

業務でManusを使う企業

自動化ワークフローの成果物やログを丸ごとManusに預けていた場合、対象法域に該当すれば12/29以降分が失われた可能性がある。復元完了の確認と、社内システムへの二次バックアップの徹底が急務。

PM・プロジェクト管理者

チームでの利用実績やタスク履歴が消えると、進捗の証跡が途切れる。対象アカウントかどうかを棚卸しし、他ツールとの二重運用に切り替えるかを判断する材料にしたい。

対象法域に該当しない個人利用者

報道によれば削除は一部法域限定のため、多くの個人ユーザーには影響がない。ただし今後も同様の資本異動が起きうる以上、無関係と決めつけず一度は公式告知を確認しておく価値がある。

05

What to Do Next

今、対象者がすべきこと

01

対象法域・対象アカウントかを確認

アプリ内通知またはメール告知の有無を確認する。通知が来ていなければ、今回の削除対象ではない可能性が高い。

02

復元状況をアカウント側で確認

8/25以降、順次復元が進んでいるとされるが、全データが即時に戻る保証はない。復元完了の告知を待たずに重要データの再取得を試みる。

03

単一ベンダー依存を見直す

今回のように資本構造の変化がデータ保全に波及しうることを踏まえ、重要な成果物は外部ストレージにも並行保存する運用に切り替える。


06

Risks & Open Questions

楽観できない理由

復元開始はユーザーにとって朗報だが、懸念も残る。第一に、「一部法域」の線引きが公式ブログ上で必ずしも明確でないため、自分が対象かどうかを能動的に確認しないと気づかないまま影響を受けている可能性がある。第二に、削除から復元までの数日間、該当ユーザーは業務利用を事実上停止せざるを得なかったはずで、その間の機会損失は補償の対象になっていない。第三に、今回の「国家命令による資本解消→データ削除」という前例は、他のAIサービスが将来同様の地政学的圧力を受けた際のロールモデルになりかねず、ユーザー側での分散管理の重要性を改めて浮き彫りにした。