OPENAI · SORA SHUTDOWN
Sora、APIも9月に幕を下ろす。
2026年3月に発表された二段階の終了計画により、Soraのアプリ・Web版はすでに4月26日で停止済み。開発者向けの Sora 2 API も、2026年9月24日で使えなくなります。
半年で、アプリもAPIも消える
動画生成の顔だったSoraが、なぜこれほど急に畳まれたのか。
2025年9月末に公開され話題を席巻したSoraアプリは、ダウンロード数が2025年11月に月間約330万本でピークに達した後、2026年2月には約110万本まで急減しました。OpenAIは2026年3月24日、公式ヘルプセンターでSoraの段階的終了を正式発表。まずWeb版・アプリ版を2026年4月26日に停止し、開発者向けのSora 2 API(sora-2 / sora-2-pro / Videos API を含む)は2026年9月24日に完全停止すると告知しました。
本記事執筆時点の2026年8月22日で、API停止まで残りおよそ33日です。Sora前提でアプリや自動化パイプラインを組んでいるなら、移行先の選定と検証を今すぐ始める必要があるタイミングです。Forbesは今回の一件を、AIベンダー1社に依存したワークフローがいかに脆いかを示す事例だと位置づけています。
採算が合わなかった、という結論
運用コストと売上の差は、ユーザー数の急減という現実とセットで報じられています。
OpenAIは金額を公式開示していませんが、複数メディアが1日あたり約100万ドル(ピーク時は1500万ドルとの報道も)の運用コストに対し、アプリの累計売上は約210万ドルにとどまったと報じています(the-decoder.com)。追い打ちをかけたのが、著作権・ディープフェイクをめぐる批判と、Disneyとの3年・10億ドル規模のキャラクターライセンス契約交渉の決裂でした。Disney側は打ち切り発表のわずか1時間前に知らされたと報じられています。
職種別に見る、9月24日までにやるべきこと
影響は「動画生成が使えなくなる」だけにとどまりません。
デザイナー / クリエイティブ
SNS用ショート動画やビジュアルのプロトタイピングにSoraを使っていたなら、9月24日以降は生成できません。書き出し済み素材をSoraライブラリから保全し、Veo 3.1やRunway Gen-4.5でスタイルを再現できるか早めに試してください。
マーケター
広告クリエイティブの量産にSora API/アプリを組み込んでいたチームは、9月24日を境に供給が止まります。既存動画資産の棚卸しと、Kling 3.0など低コストな代替への切り替えテストを、キャンペーンカレンダーより前倒しで進める必要があります。
エンジニア
sora-2 / sora-2-pro を呼ぶAPI実装は9月24日でエラーになります。Videos APIのエンドポイントをVeo 3.1やRunway APIに差し替え、webhook対応の有無(Soraはポーリング前提、Runway/Klingはwebhook対応)などリクエスト形状の違いを検証しておく必要があります。
プロダクト責任者
動画生成をコア機能に据えていたなら、単一ベンダー依存のリスクが顕在化した事例として社内共有する価値があります。次のベンダー選定では価格だけでなく、サービス継続性や撤退時のデータ移行手段まで契約条件に含めることを検討してください。
移行先候補と価格感
単純な一対一の代替品は存在しません。用途に応じた使い分けが必要です。
| Sora 2 API(終了) | 主な移行先の目安 |
|---|---|
| $0.10〜0.70/秒(報道により幅) | Veo 3.1: 高速モードで$0.15/秒〜 |
| webhookなし・ポーリング前提 | Runway / Klingはwebhook対応 |
| 2026年9月24日で全モデル終了 | Kling 3.0は$0.10/秒台の低価格帯 |
| 後継モデルの発表なし | Runway Gen-4.5は編集寄りワークフローに強み |
精度・表現力を優先するならVeo 3.1、コストを優先するならKling 3.0、素材の編集・合成を軸にするならRunway Gen-4.5——という使い分けが、開発者向けの比較記事でも共通して推奨されています。
9月24日までの実務チェックリスト
資産のバックアップ
Soraライブラリの動画・画像をダウンロードし、自社ストレージに保全する。エクスポート機能は稼働期間中のみ利用できます。
代替APIの選定とPoC
用途に応じてVeo 3.1・Kling 3.0・Runway Gen-4.5のいずれかで小規模に試し、画質・レイテンシ・料金を比較する。
パイプラインの切り替え
webhook対応の有無やレスポンス形式の違いを踏まえてコードを書き換え、9月24日より前に本番切り替えを完了させる。
依存していたのは、AIそのものではなく
ベンダー1社の継続性だった。
楽観しすぎないための注意点
今回のコスト・売上の数字はOpenAIが公式開示したものではなく、報道各社の推計であり、金額には幅があります(1日あたり100万ドル台とする報道もあれば、ピーク時1500万ドルとする報道もあります)。額そのものより、「動画生成は他のモダリティよりコストがかさむ」という構造が業界共通の課題である点を踏まえておくべきです。
また、OpenAIが動画生成から完全に撤退したと断定するのは早計です。Forbesの分析は、今回の判断をIPOを見据えたコーディング・エンタープライズ向け製品への計算資源の再配分という戦略転換の一環だと指摘しています。将来、別の形で動画生成に再参入する可能性は排除できません。