Claude in Chrome
デスクトップの外へ——
Cowork、ブラウザに住む。
Anthropicは2026年8月12日、Chrome拡張機能「Claude in Chrome」を、これまでデスクトップアプリ専用だったClaude Coworkの正式なクライアントに格上げした。サイドパネルを開くだけで、スキルもプラグインもコネクタもそのまま動く。窓を切り替える手間が、消えた。
The Bottleneck
「窓を切り替える」が、
地味な足かせだった
Cowork は、Claude がユーザーに代わって複数のタスクを並行してこなす「相棒」的モード。だがこれまではデスクトップアプリ専用で、ブラウザで作業しながら何かを頼みたいときも、いったんブラウザから離れてデスクトップアプリのウィンドウを開き直す必要があった。この「窓の往復」は些細なようで、日常的に使うほど積み重なる摩擦になっていた。
その状態が、2026年8月12日に変わった。Anthropicは、これまで単体の閲覧補助ツールだった Chrome 拡張機能「Claude in Chrome」を、9to5Mac が報じたようにCoworkの正式なクライアントへと格上げした。The Decoder の報道によれば、これまでデスクトップアプリでしか使えなかったスキル・プラグイン・コネクタが、追加のセットアップなしでブラウザ内でもそのまま動くようになったという。
| Before:デスクトップ限定 Cowork | After:Chrome の Cowork |
|---|---|
| 使うにはデスクトップアプリを開き直す | Chromeのサイドパネルからそのまま呼べる |
| スキル・プラグインはアプリのみ対応 | ブラウザでも追加設定なしで動作 |
| 会話履歴はアプリとブラウザで別管理 | セッションが端末をまたいで継続 |
| 社内システムはAPI/MCPコネクタ前提 | ブラウザ越しに直接操作できる |
How It Works
セッションは、
どちらの窓からでも続く
デスクトップで始めたタスクをChromeで、あるいはその逆で続けられる——鍵は「セッションの同期」。
拡張機能がCoworkの正式クライアントに
これまで単体だった「Claude in Chrome」拡張機能が、Coworkのセッションをそのまま受け取れるようになった。Chromeのサイドパネルでの会話も、ユーザーの利用履歴の一部として扱われる。
スキル・プラグイン・コネクタがブラウザでも動く
デスクトップアプリと同じ拡張機能群が、追加設定なしでブラウザ内でも有効になる。ゼロから接続を組み直す必要はない。
デスクトップとブラウザを行き来できる
デスクトップアプリで始めたタスクをChromeで続けたり、逆にChromeで始めた作業をデスクトップで仕上げたりできる。
Availability
使えるのは、
まず Max と Team
Max プランと Team プランの契約者は、発表当日の8月12日からこの新しいCoworkクライアントを使える。Dataconomy の報道によれば、Pro プランへの提供は「数週間以内」とされており、全ユーザーに一斉解禁されたわけではない。段階的なロールアウトは、ブラウザ内でタスクを実行させるという新しい権限範囲を、Anthropicが慎重に広げようとしている表れとも読める。
Who It Helps
誰に、どう効くか
「ブラウザでログインするだけの社内ツール」を、そのままClaudeの操作対象にできる点が要になる。
開発者:専用コネクタを書かずに済む
社内ダッシュボードやレガシーな管理画面など、API/MCPコネクタが用意されていないツールを、ブラウザ越しにClaudeが直接操作できるようになる。都度コネクタを自作・保守するコストが減る。
ビジネス担当者:ベンダーポータルもそのまま
経費精算やCRMなど、IDとパスワードでログインするだけの社内外ツールも、拡張機能を開けばCoworkの操作対象になる。ブラウザで完結する定型作業を任せやすくなる。
PM:タスクを途切れさせない
会議前にデスクトップアプリで調査を頼み、移動中や別PCのブラウザから続きを確認・指示できる。セッションが同期されるため、進捗の引き継ぎメモを別に書く必要が減る。
毎日使うツールの多くは、Claudeに直接つながっている。
でも、そうでないものもまだ多い。
What's Next / Risk
次に来るもの、
そして留意点
今すぐ試せるのは Max・Team プランの契約者に限られる。該当する読者は、まず Chrome 拡張機能を最新版に更新し、サイドパネルでの会話が実際にデスクトップアプリの履歴と同期するかを確認しておきたい。社内システムへの接続を検討しているなら、既存のAPI/MCPコネクタと比べてどちらが権限管理をしやすいか、先に棚卸ししておくと移行がスムーズになる。
一方で、ブラウザ越しに社内ダッシュボードやベンダーポータルを直接操作させることは、専用コネクタ経由よりも権限の境界が曖昧になりやすい。The New Stack が伝えるように、セッションが端末をまたいで持続する設計は、ログイン状態を保ったままの画面をAIエージェントに触らせ続けることと表裏一体でもある。Pro プラン利用者にはまだ届いておらず、全社的な展開を急ぐ前に、権限設計を検証する猶予期間と捉えるのが現実的だろう。