Perplexity、
ついにWindows解禁。
画面の前で待つだけの単純作業を代わりにやってくれる自動操作アプリ「Personal Computer」。Macだけの特権だった3ヶ月弱を経て、2026年7月28日、ついにWindows PCに対応した。世界のPC市場の大半を占めるWindows陣営に、AIエージェントがようやく届く。
Macユーザーだけが
先に自動操作の恩恵を得ていた
Perplexityの「Personal Computer」は、ローカルのファイルやアプリを直接操作できる自動操作エージェントだ。文書の作成・Excel更新・ファイル整理・複数アプリをまたぐ調べもの——本来は人が手を動かしていた作業を、Perplexity自身が「汎用的なデジタルワーカー」と呼ぶ形で代行する。TechCrunchの報道によれば、2026年5月7日にMacの全ユーザーへ一般公開されて以来、この恩恵を受けられるのはMac陣営に限られていた。
Windowsユーザーは指をくわえて見ているしかない状態が続いた。世界のデスクトップ市場でMacのシェアはおよそ15%に過ぎず、残る大多数を占めるWindows機には手が届いていなかったのだ。その空白がようやく埋まり、Windows版の展開が始まったことは、Perplexity公式のプロダクトページでも明記されている。
| 〜2026.07.27(Macのみ) | 2026.07.28〜(Windows追加) |
|---|---|
| 恩恵を受けるのは市場の約15%のみ | 10億台超のWindows PCが対象に |
| Windows勢は待機リスト登録のみ | Max/Enterprise Max契約者から順次稼働 |
| 自動操作はMacアプリに限定 | Word/Excel/ローカルファイルを横断操作 |
普段使いのPCがWindowsというだけで、
同じAIの恩恵から3ヶ月近く締め出されていた。
Windows版はまずMax(月額200ドル)とEnterprise Max(月額325ドル)の契約者から、待機リスト順に展開される。単体販売はなく、上位プランへの加入が前提だ。処理はタスクごとに20を超えるフロンティアAIモデルから最適なものを自動選択する仕組みで、この「複数モデルのオーケストレーション」は2026年2月のComputer初公開時からの設計思想を引き継いでいる。
承認したフォルダだけを、
ローカルとクラウドが分担して動かす
Windows版もMac版と同じ設計を踏襲し、ユーザーが許可した範囲だけにアクセスする。
承認済みフォルダ・アプリのみ接続
ユーザーが許可したファイルとアプリだけにアクセスする。メール送信やファイル削除など、後戻りしにくい操作の前には必ず確認を求める設計になっている。
ローカル×クラウドのハイブリッド推論
軽い処理は手元のPCで、重い処理はクラウドで——タスクの性質に応じて自動的に振り分ける。Computex 2026で先行デモされた仕組みがWindows版に先行実装された。
Microsoft 365・Teamsとも連携
2026年5月に追加されたMicrosoft 365 / Teams連携も踏襲し、社内文書やチャット履歴をまたいだ調べものと作業をひとつの会話でこなす。
誰に、どう効くか
恩恵の大きさは職種によって大きく変わる。
バックオフィス・経理担当
社給PCの大半がWindowsを占める部門ほど恩恵は大きい。請求書のExcel更新やファイル整理など、これまで「Macなら自動化できるのに」と指をくわえていた定型業務を任せられるようになる。
プロジェクトマネージャー
チーム内のOS混在(Mac/Windows)で自動化のカバー範囲が割れていた課題が解消する。Microsoft 365・Teams連携により、Windows機のメンバーでも議事メモや進捗資料の下準備を同じ水準でエージェントに任せられる。
情シス・IT管理者
承認フォルダ制と危険操作の事前確認は健在だが、Windows全社導入となると管理対象デバイスが一気に増える。展開前にアクセス範囲のポリシー設計を見直す必要がある。
今更感の裏にある、本当の意味
なぜ今これが重要か。検索エンジン企業だったPerplexityが、OS横断のデスクトップ自動操作という土俵に本気で乗り出したことを示す一手だからだ。MacからWindowsへの拡張は単なる機能追加ではなく、Microsoft CopilotやGoogleのAIエージェント群と正面から競合するデスクトップ全体を狙う布陣に見える。競合各社も同様の「ローカル×クラウド」自動操作を急いでいる最中で、対応OSの広さがそのまま利用者数の差になる局面に入った。
次に何をすべきか。Max/Enterprise Maxを契約中のWindows利用者は、まず待機リストに登録し、機微な社内フォルダは初期段階でアクセス許可を絞って様子を見るのが無難だ。チーム導入を検討する情シスは、承認フォルダの棚卸しとログ確認の運用を先に固めてから展開するとよい。
反対視点・リスクも見ておきたい。第一に、Personal Computerは単体購入ができず月額200ドル以上のプラン加入が前提で、個人利用にはハードルが高い。第二に、ローカルファイルへの深いアクセス権を渡す設計そのものが、社内データ持ち出しや誤操作のリスクを新たに生む——重要操作の事前確認があるとはいえ、権限設計を誤れば影響は小さくない。第三に、Windows版は立ち上がったばかりで、Mac版のような数ヶ月分の不具合報告の蓄積がまだない。安定運用の実績は今後の展開を見て判断すべきだろう。