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Search Shift

AI検索、もう
既定路線に。

半年前まで「誤答が多い補助輪」と見られていたAI検索が、この1年でGoogle検索の主戦場そのものになりました。Gemini搭載の AI Overview が押し上げる普及速度を、Google公式発表とTechCrunchが報じた市場データから読み解きます。

AI Navigate 編集部·2026.07.28·読了 7分
6 MONTHS AGO 10本の青リンク 見比べてクリックして選ぶ NOW AIが要約して回答 出典は小さく併記されるだけ
01
The Shift

半年前は「補助輪」
今日は「既定路線」

TechCrunchが報じた市場データが、AI検索の主戦場化を裏づけています。

半年前、AI検索はまだ「誤答が多く頼りきれない補助輪」という扱いでした。多くのユーザーにとって検索は、依然として10本の青いリンクを見比べてクリック先を選ぶ体験であり、Google純正の AI Overview でさえ「一応表示されるおまけ」程度の存在感にとどまっていました。

その前提は、この1年でひっくり返っています。TechCrunchが2026年7月27日に報じた市場調査会社Similarwebのデータによると、Google検索でAI Overviewが表示される割合は、1年前の15%から現在は43%まで上昇しました。会話型の AI Mode への月間訪問数も、2025年6月の1.26億件から2026年5月には2.79億件へと2倍以上に増加しています。TechCrunchはこの変化を「検索がGoogleへの入口だった時代から、Google自体が目的地になる時代への転換」と表現しました。

半年〜1年前2026年7月・現在
AI Overview表示率 15%AI Overview表示率 43%
AI Mode月間訪問 1.26億件AI Mode月間訪問 2.79億件
10本の青リンクが主戦場AI回答内での言及が主戦場に
「誤答が多い補助輪」扱いGemini 3が既定応答モデルに

02
By The Numbers

数字で見る、1年間の伸び

Similarwebの計測とGoogle公式発表を突き合わせると、変化の速さが見えてきます。

AI OVERVIEW 表示率 15% 2025.07 43% 2026.07 AI MODE 月間訪問数 1.26億 2025.06 2.79億 2026.05 2倍超に
FIG. AI Overview表示率とAI Mode月間訪問数、いずれも1年で倍増以上
43%
AI Overview表示率(15%から上昇)
2.79億
AI Mode月間訪問数(2026.05)
Gemini 3
AI Overviewsの既定モデル(2026.01〜)

この普及を後押ししたのが、2026年1月27日にGoogleが発表した、AI Overviewsの既定応答モデルを Gemini 3 に切り替えるという決定です。Google公式ブログは、この刷新によって AI Overviews が「検索結果画面上でベストクラスのAI回答」を返せるようになったと説明しています。開発元であるGoogle DeepMindのモデル刷新から半年で表示率が3倍近くに伸びた点は、偶然ではないでしょう。


検索は、選ぶ場所から、
読んで終わる場所に変わりつつある


03
Who It Hits

誰に、どう効くか

マーケター・経営・プロダクトそれぞれに、異なる形でインパクトが及びます。

マーケター向け

「順位を上げてクリックを稼ぐ」設計だけでは頭打ちになります。AI回答内に自社名・データが引用される構造(GEO/AEO)を、既存SEO施策と並走で組み立て直す必要があります。

経営層向け

検索経由の流入を前提にした広告・獲得コストの計画は見直しが要ります。AI回答内での言及獲得という新しい指標を、既存のCPA・CVR指標と並べて追う体制が必要です。

プロダクト/PM向け

自社サービスの解説ページやFAQを、AIが抜き出しやすい定義文・比較表・構造化データの形に整えておくと、AI回答内に引用される確率が上がります。計測はSearch Consoleの生成AIレポートなどを使います。

04
What's Next

次に何をすべきか

「様子見」はもう選べません。優先度の高いアクションから着手します。

01

AI引用の可視化から始める

Search Consoleの生成AIレポートや外部ツールで、自社コンテンツがAI回答内でどれだけ引用されているかを計測する仕組みをまず持つこと。今は「見えていない」企業が大半です。

02

コンテンツを「引用されやすい」形に

結論を先出しした定義文・比較表・箇条書きなど、AIが抜き出しやすい構造に書き直します。長い前置きに埋もれた結論はAI回答に拾われにくくなります。

03

集客チャネルを検索一本足から分散

メール配信・SNS・コミュニティなど、検索を経由しない直接接点を並行して強化し、AI Overviewの表示・非表示に流入が左右されにくい体質を作ります。


05
Caveats

楽観だけでは語れない

まず留保が要るのは、ゼロクリック化が一本調子で進んでいるわけではない点です。市場データ企業Datosの調査では、米国のゼロクリック率は2025年12月の24.5%から2026年3月には22.4%へやや低下しており、SparkToroの分析も含め、悪化が落ち着き始めた可能性を指摘する声もあります。

次に、Google自体の検索シェアは依然90%を超えており、今回の変化は「Google内部でリンク結果からAI回答へ主役が移った」ことが中心です。Perplexity や ChatGPT の検索機能など他のAI検索サービスへの本格的な流出は、まだ限定的と見るべきでしょう。

最後に、AI Overviewが表示された検索でのクリック率は、通常の検索結果よりなお低い水準にとどまるとの報告が多く、業種・クエリの種類によって影響の濃淡は大きく異なります。「AEO対策さえすれば流入は安泰」という単純化は禁物で、指標を継続的に観測しながら配分を調整する姿勢が必要です。