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Strategic Pivot

マルチモーダルのRekaが、
ロボットの頭脳へ舵を切る

Rekaはこれまでテキスト・画像・動画のマルチモーダルモデルが主軸でした。その軸足を今、画面の外に広がる物理世界へ——ロボットが動く現実へ——移そうとしています。

AI Navigate 編集部2026.07.25読了 7分

MULTIMODAL TEXT・IMAGE・VIDEO PIVOT WORLD LANGUAGE ACTION MODEL ROBOTICS・EMBODIED AI
01
Why Now

チャットからロボットへ、
静かな転向

多くのAIラボがチャットボットを主戦場としてきた中、Rekaはテキスト・画像・動画を横断するマルチモーダルモデルの開発で存在感を示してきました。しかし同社は「World Language Action Model」という新しい看板を掲げ、物理世界向けの基盤モデル研究へ本格的に軸足を移すと説明しています。ロボティクスや身体性を伴うAI(embodied AI)を見据えた転換で、画面内で完結してきたこれまでのマルチモーダル路線とは一線を画す動きです。詳しい位置づけはReka公式サイトで確認できます。

この転向はReka単独の孤立した出来事ではなさそうです。ここ数年、フロンティア研究所の重心は「言葉を生成するAI」から「物理世界で行動できるAI」へと少しずつ移っており、資金力のある大手ラボほどロボティクス基盤モデルへの投資を広げてきました。テキスト・画像・動画というデジタル空間で閉じたマルチモーダル路線から、身体を持つロボットが実世界で知覚し行動するための基盤モデルへ——Rekaの方針転換は、この業界的な地殻変動の一例とみられます。

これまでのRekaこれからのReka
テキスト・画像・動画のマルチモーダルモデルが主軸「World Language Action Model」を掲げる基盤モデル研究
用途はチャット・コンテンツ生成が中心ロボティクス・身体性AI(embodied AI)を志向
完結する場はスクリーンの中対象は物理世界そのもの

言葉を生むだけのAIから、
世界の中で動くAIへ。


02
World Language Action Model

名前が示す、三層の賭け

「World」「Language」「Action」という言葉の並びは、知覚・言語・行動を一体で学習させる狙いを示唆しています。

知覚 / PERCEIVE 言語接地 / GROUND 行動 / ACT 知覚→接地→行動を繰り返し環境に適応(推定)
FIG. 「World Language Action Model」という名称から読み取れる三層構成のイメージ(推定図・Reka公式の図解ではない)

「World Language Action Model」という呼称自体、Rekaがこれまでの「見て・読んで・説明する」立ち位置から一段先に踏み出したことを物語っています。同社が掲げるこのフレーミングは、名称から読み取る限り、モデルが物理世界の状態を捉え(World)、それを言語的な表現として扱い(Language)、実際の行動として出力する(Action)という三層を一体で学習させる狙いだと考えられます。テキストと画像の対応関係を学ぶ従来のマルチモーダルモデルに対し、ロボットの関節角度や把持動作のような連続的な行動出力にまで踏み込む点が、これまでのReka の研究と大きく異なります。ただし、具体的な学習手法やアーキテクチャの詳細は現時点で公開されておらず、名称と方針表明から推測できる範囲にとどまる点には注意が必要です。

03
Who It Matters To

誰に、どう効くか

影響の濃淡は職種によってはっきり分かれます。

開発者・エンジニア

現時点でロボティクス向けAPIやSDKが一般提供されているという情報はなく、研究方針の表明にとどまります。既存のRekaチャット・マルチモーダルAPIを使う分には当面変更なしとみられますが、ロボティクス領域を追う開発者は今後の技術ブログや論文発表を継続的にウォッチする価値があります。

PM・事業開発

ロボティクスパートナーシップやハードウェア連携が今後出てくる可能性がある領域として注視に値します。ロボティクス方面の動向を追う人には要チェックな転換です。競合ラボの動きと合わせて、自社プロダクトへの波及可能性を早めに評価しておく価値があります。

チャットボット利用者

Rekaをチャットボット用途で使っている場合、今回の方針転換による影響はありません。既存製品の提供や使い勝手が今すぐ変わるという情報はなく、静観して問題ないカテゴリです。

04
What's Next & Risks

次に何が起きるか、
そして越えるべきハードル

短期的な焦点は、Rekaがこの新方針のもとでどのような技術詳細やベンチマークを公開するかです。現時点では方針表明の域を出ておらず、具体的なロボット機体、提携先、性能数値は明らかになっていません。追いかけるうえでの実務的なアクションとしては、まずReka公式の発表やブログを定点観測し、モデルや評価指標の公開を待つこと。既存のRekaチャット・マルチモーダルAPIを使っている場合は、当面ロードマップに変更がないか改めて確認すること。そしてロボティクス基盤モデル領域全体の動き——大手ラボや専業スタートアップの取り組み——と比較しながらRekaの立ち位置を見極めることの3点が有効とみられます。

ただし楽観は禁物です。物理世界で動く基盤モデルの開発は、データ収集からシミュレーション、実機検証まで工程が長く、資本集約的な領域として知られています。この分野にはすでに潤沢な資金を持つ大手ラボや専業スタートアップが先行しており、比較的小規模なラボであるRekaが同じ土俵でどこまで戦えるかは未知数です。今回の発表にも具体的な製品名やベンチマーク、投入時期は含まれておらず、あくまで研究方針の表明にとどまっている点には留意が必要です。

情報元: Reka · AI Navigate — Daily Update · 2026.07.25