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Claude Security Plugin

Claude Codeが脆弱性も見る

ターミナルの中で動くマルチエージェント脆弱性スキャナー「Claude Security」がベータ公開された。コードを書く工程とセキュリティレビューが、同じセッションの中で合流し始めている。

AI Navigate 編集部2026.07.24読了 6分

/claude-security finding: F1 検証 patches/F1.patch git apply
01

Why Now

セキュリティレビューを
書きながら終わらせる

従来は、コードを書く工程とセキュリティレビューは別の作業だった。

2026年7月、AnthropicはClaude Codeの公式ドキュメントで「Claude Security」プラグインをベータ公開した。ターミナル内のClaude Codeセッションから直接呼び出せる、マルチエージェント構成の脆弱性スキャナーだ。導入コマンドは「/plugin install claude-security@claude-plugins-official」の一行で、配布元は公式マーケットプレイスのanthropics/claude-plugins-officialリポジトリだ。

Claude Codeにはすでに、コードを書いているそばからその場でレビューする「security guidance」プラグインがある。Claude Securityはそれとは別物で、位置づけは「オンデマンドの深いスキャン」層にある。リポジトリ全体、あるいはブランチの差分・プルリクエスト・単一コミットだけを対象に、アーキテクチャの把握から脅威モデルの構築、脆弱性のハンティング、発見の独立検証までを、複数のClaudeエージェントが分担してこなす。ここが、正規表現やシグネチャで既知パターンと照合するだけの従来型の静的解析ツール(SAST)との決定的な違いだ。ファイルをまたいだデータフローや、ビジネスロジック上の権限設計まで踏み込んで文脈を読む。

従来の静的解析(SAST)Claude Security
既知パターンとの照合(正規表現・シグネチャ)アーキテクチャ理解とデータフロー追跡による文脈推論
誤検知が多く、トリアージに人手がかかる独立した検証エージェントが発見を精査してから報告
警告を出すだけで、修正はしないレビュー済みパッチを patches/ フォルダに生成
CIパイプラインで自動実行Claude Codeセッション内でオンデマンド実行(有料プラン)

AIが書いたコードを、
AIがもう一度、疑ってかかる。


02

How It Works

4段階のマルチエージェント・パイプライン

パターン照合ではなく、セキュリティ研究者のように読み解く。

構成要素と依存を把握 守る資産と攻撃面を整理 コードを読み疑わしさを探す 別エージェントが検証 01 MAP 02 THREAT MODEL 03 HUNT 04 VERIFY 確認できた発見だけが CLAUDE-SECURITY-RESULTS.md に残る
FIG. アーキテクチャの把握から独立検証まで、複数エージェントが分担して進める
v2.1.154
動作に必要な最小 Claude Code バージョン
3.9.6+
必要な python3 の最小バージョン
3
/claude-security のジョブ数(スキャン/差分/パッチ提案)
01

アーキテクチャのマッピング

リポジトリを読み込み、構成要素と依存関係を把握する。

02

脅威モデルの構築

何が守るべき資産で、どこが攻撃面になり得るかを整理する。

03

脆弱性ハンティング

実際にコードを読み込み、疑わしい箇所を洗い出す。

04

独立検証とレポート化

発見ごとに別のエージェントが正しさを精査し、確認できたものだけを報告に残す。

見つかった問題は、そのままでは終わらない。「Suggest patches」を選ぶと、発見ごとにF1のようなIDが振られたパッチ候補が組み立てられる。ここでもパッチを書いたエージェントとは別のエージェントが、対象のリポジトリにテストがあれば実際に走らせたうえで、「その発見だけを直しているか」「新しい脆弱性を持ち込んでいないか」「他の挙動を変えていないか」の3点を確認できたときだけパッチを出力する。パッチはpatches/フォルダにgit applyで適用できる形で置かれるだけで、自動適用は一切行われない。

03

Who It's For

エンジニアにもPMにも
効く使いどころ

職種によって、刺さる場所が違う。

PRの前にブランチ差分だけ

マージ前に「今回の変更分だけ」をスキャンできる。プルリクエスト単位、あるいはコミットハッシュを指定して絞り込めるので、レビュー待ちの手戻りが減る。

発見をそのままパッチに

報告された発見から git apply 可能なパッチを作らせ、1発見=1プルリクエストで出せる。テストがあれば実行した上でレビューされるので、着手前の当たりをつける手間が減る。

大規模リポジトリは範囲を絞る

ファイル数や相対コストを見ながら、API層や認証まわりなど狙った領域だけをスキャンできる。チームの規模に合わせて、どこにセキュリティの目を配分するかの判断材料になる。


04

What's Next

まず試すなら、ここから

Claude Securityを動かすには、Claude Code v2.1.154 以降と有料プラン、そしてPATH上のpython3(3.9.6以降)が要る。スキャンはダイナミックワークフローと呼ぶ仕組みでエージェントを束ねるため、Proプランでは/configの「Dynamic workflows」を先に有効にしておく必要がある。準備ができたら、まずは自分の担当リポジトリで/claude-securityを実行し、「Scan changes」でいま作業中のブランチ差分だけを見てみるのが手堅い最初の一歩だ。全体スキャンは時間もトークンも使うため、最初は範囲を絞って感触を確かめるとよい。

05

Caveats

過信は禁物、あくまで一枚の防御層

公式ドキュメントも明言する通り、スキャンは非決定的だ。同じコードを2回スキャンしても、見つかる発見が毎回同じとは限らない。だからこそ「1回スキャンして終わり」ではなく、継続的に回すことが前提になっている。

パッチは常に人間が確認してから適用する設計で、自動適用の経路は用意されていない。またこのプラグインは、既存の静的解析やSCA(依存関係)、CIのチェックを置き換えるものではなく、その手前に立つ追加の層として使うことが公式にも案内されている。ベータかつ有料プラン前提という制約もあり、個人の趣味プロジェクトで無理に導入する必要はない。人間のレビューを省略していい理由にはならない、という一線は変わらない。