tl;dv / Notta / Fireflies 比較:日本語議事録 AI

AI Navigate Original / 2026/5/16

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要点

  • 日本語会議は tl;dv(無料開始)・Notta(日本語精度)・Fireflies(営業分析)から選び、英語は Otter
  • 2026 料金目安:tl;dv は無料手厚い、Notta 無料 120 分/月+Pro 約 13〜14 ドル/月、Fireflies 無料+Pro 約 10 ドル/人月、最新は公式確認
  • 用途で選ぶ、クラウド送信なので機密会議は規約確認しクライアント同意を取る
  • 無料はデータ学習の可能性、人名辞書・カスタム語彙を調整、まず 1 会議体で試してから全社展開

日本語の会議を自動で文字起こし・要約してくれる AI 議事録ツールは、いまや「導入するかどうか」より「どれを選ぶか」の段階です。海外ツールの多くは英語に最適化されていますが、日本語をメインで使うなら候補は実質 Notta・tl;dv・Fireflies の 3 つに絞られます。それぞれ得意分野がはっきり違うので、用途から逆算すると迷いません。料金やプランは頻繁に変わるため、契約前に必ず公式サイトで最新を確認してください(数値は 2026 年 6 月時点の目安)。

会議の発話 文字起こし 音声→テキスト 話者を識別 AI 要約 論点・タスク 議事録の下書き 共有・CRM 連携 人が確認

FIG.1 3 ツール共通の流れ:発話 → 文字起こし → AI 要約 → 共有。最後に人が確認するのは必須

どのツールも仕組みは同じです。違いは 「日本語の認識精度」「無料枠の太さ」「要約や連携の方向性」。この 3 軸で見れば、自分に合う 1 本が見えてきます。

01Notta:日本語の精度を最優先するなら

Notta は日本企業(Notta 株式会社)が開発する議事録ツールで、UI もサポートも日本語が前提です。最大の強みは日本語認識の精度。複数の比較記事で、静かな環境・標準的な日本語の会議では認識率がおおむね 98% 台と、3 ツールの中で頭ひとつ抜けた評価を受けています(専門用語や方言、雑音が多い環境では下がります)。

  • Zoom / Google Meet / Microsoft Teams / Webex に対応し、多言語の翻訳機能も持つ
  • 議事録テンプレートが豊富で、人名・社名などのカスタム語彙登録を日本語でも設定できる
  • 日本の事業者として適格請求書(インボイス)を発行できるため、経費精算の実務で扱いやすい
  • 2026 年 1 月に「Notta Brain」という AI エージェント機能が登場。会議音声に加えて Word / PowerPoint など社内資料も読み込み、要約・タスク抽出に加えて資料の構成案まで生成する方向に拡張している

料金の目安:無料プランは月 120 分まで、かつ 1 回の会話が約 3 分までという制限があるため、実会議の議事録用途には事実上有料が前提です。個人〜小規模向けの有料プラン(プレミアム)は年払いで月 1,200〜1,400 円前後、文字起こし枠は月 1,800 分(約 30 時間)が目安。チーム向けの上位プランで枠と管理機能が増えます。

02tl;dv:まず無料で広く使ってみたいなら

tl;dv は無料プランの太さが魅力のツールです。Zoom / Google Meet / Teams と連携し、録画・文字起こし自体は無料でもかなり使えます。日本語にも対応しますが、最適化の度合いでは Notta に一歩譲るという評価が一般的です。「とりあえず録って残す」入口として優秀、というのが正しい位置づけです。

  • 30 以上の言語に対応し、Slack やカレンダーと連携
  • 過去の会議に質問できる AI Q&A、タイムスタンプ付きの共有クリップが得意
  • 無料でも録画・文字起こしは広く使えるが、AI 要約(AI メモ)は月およそ 10 回まで、アップロードは月数回までと回数で制限される

tl;dv の無料枠で見落としやすいのが、無料プランでは録画データが数日(目安 3 日)で自動アーカイブされる点。後から見返す前提なら有料化が要る。

料金の目安:無料から使え、有料の PRO プランは年払いで月 3,000 円前後。PRO にすると保存期間や AI 要約の回数、アップロードの制限が外れます。上位に Business / Enterprise があり、チーム管理や高度な分析が加わります。

03Fireflies:営業・商談の分析を回したいなら

Fireflies は営業・商談の分析に強みを置いたツールです。単に議事録を作るだけでなく、「誰がどれだけ話したか(トーク比率)」「特定キーワードの出現」などを追跡し、商談の振り返り材料にできます。日本語を含む 69 以上の言語に対応しますが、日本語の要約精度は英語ほどではなく、音声環境によってばらつくという指摘もあります。

  • Salesforce / HubSpot などの CRM と連携が強力。商談後、要約・議事録・音声リンクが対象の顧客レコードへ自動で紐づく
  • トーク比率・センチメント・「次のアクション」抽出が得意で、API でのカスタム連携も可能
  • 要約やアシスタント(AskFred)などの生成系は AI クレジットを消費する方式。無料枠を超えると追加購入が要る

料金の目安:無料プランは保存枠 800 分+月 20 程度の AI クレジット。有料は Pro が年払いで 1 ユーザー月 10 ドル前後(月払いは約 18 ドル)、Business が約 19 ドル、Enterprise が約 39 ドル。CRM 連携や会話インテリジェンスは上位プラン側に寄っています。

04用途別の選び方

結局のところ、選定は「日本語精度・無料で試す・分析」のどれを最優先するかで決まります。下表を出発点にしてください。

こういう人・場面向いているツール
日本語の社内会議が中心で精度を最優先Notta
まず無料で広く試して使い勝手を見たいtl;dv
営業・商談を分析し CRM に流したいFireflies
英語・グローバル会議が中心Otter(前章参照)

Notta

日本語精度・日本語サポート・インボイス対応。社内会議の標準議事録に。

tl;dv

太い無料枠と共有クリップ。導入前のお試しや録って残す用途に。

Fireflies

トーク比率や CRM 連携。営業チームの商談分析に。

05無料プランは「同じ」ではない

3 ツールとも無料プランがありますが、制限のかけ方がまったく違います。「無料だから同じ」と思って選ぶと、肝心なところで詰まります。

Notta tl;dv Fireflies 月 120 分・1 会話 3 分 = 時間でブレーキ 録画は数日で消える = 保存期間でブレーキ AI クレジット・保存枠 = 回数・容量でブレーキ 同じ会議を 2〜3 本で試し、自分の使い方でどこに当たるか確かめる

FIG.2 無料枠のブレーキは「時間/保存期間/回数・容量」と性格が違う

  • Notta:月 120 分・1 会話 3 分という時間で止まる。長い会議を 1 本録るとすぐ上限に届く
  • tl;dv:録画・文字起こしは広く使えるが、保存期間(数日でアーカイブ)と AI 要約の回数で止まる
  • Fireflies:保存枠(容量)と AI クレジットの回数で止まる

06共通の注意点:精度とセキュリティ

ツールが違っても、運用で気をつける点は共通です。とくに次の 2 つは導入前に必ず押さえてください。

  • 固有名詞は誤認識しやすい:人名・社名・製品名は崩れがち。各ツールのカスタム語彙(用語辞書)に登録しておくと精度が上がる
  • 会話はクラウドに送られる:機密性の高い会議は、利用規約とプランの条件(データの保存場所・第三者提供・モデル学習への利用可否)を確認する。無料プランではデータが AI の改善に使われる場合がある
  • 要約は鵜呑みにしない:AI 要約は便利だが、数字・固有名詞・決定事項は誤りや取りこぼしが起こりうる。重要事項は元の文字起こしや録音で裏取りしてから確定する

Recording & Consent

録音は「法律」より「ひとこと先に伝える」

日本では、自分が会議の当事者である限り、相手の事前同意がなくても録音そのものが直ちに違法になるわけではありません(会話の一方当事者が同意していれば適法とする最高裁判例があります)。ただし法律的にセーフ=ビジネス的にセーフ ではないのが要点。

とくに社外・顧客との会議では、無断録音は信頼関係を損ねます。実務では「議事録を正確に残したいので録音させていただいてよろしいですか」と会議の冒頭でひとこと伝えるのが定番。これは法律ではなくビジネスマナーとして必須と考えてください。

ひとこと 合意 録音開始 議事録

FIG.3 冒頭のひとこと → 合意 → 録音 → 議事録。法律論より先に「先に伝える」を運用に組み込む

あわせて、議事録・録音データは用途が終わったら速やかに削除、長期保管が必要ならアクセス権限を絞って社内ポリシーに従う——というデータの後始末もルール化しておくと安心です。

07よくある勘違い

  • 「日本語なら Otter で十分」:Otter は英語が得意なツール。日本語中心なら Notta のほうが精度を取りやすい
  • 「無料プランの条件はどれも同じ」:Notta は時間、tl;dv は保存期間と要約回数、Fireflies はクレジットと容量——と制限のかけ方が別物
  • 「導入したらすぐ全社で使える」:まず 1 つの会議体で 1 ヶ月試し、テンプレを 1 つ固めてから広げるのが安全
  • 「AI 要約をそのまま議事録にできる」:要約は下書き。固有名詞・数字・決定事項は人が確認して確定する

08導入の進め方

01

無料プランで 1 ヶ月試す

本命候補だけでなく、できれば 2 本を同じ会議で走らせ、日本語の精度と使い勝手を自分の業務で比べる。

02

録音の合意を取る習慣をつける

会議の冒頭で「録音して議事録に使います」とひとこと。社外会議では特に徹底する。

03

議事録テンプレを 1 つ固める

決定事項・宿題(担当・期限)・次回アジェンダなど、自社の型を 1 つ作って共有する。

04

使用感を踏まえて有料化を判断

無料枠で詰まった箇所(時間・保存・回数)が、自分にとって本当に課金する価値があるかで決める。

営業は Fireflies、社内は Notta のように併用も可能ですが、ひとつの会議体では 1 ツールに統一したほうが運用は楽です。次の章では、翻訳に特化したツール DeepL を扱います。