Otter.ai は、会議の音声をその場で文字にし、終わったら要約と「やること(アクションアイテム)」まで自動で作ってくれる会議アシスタントです。2025 年 11 月から日本語のリアルタイム文字起こしに正式対応し、Zoom・Google Meet・Microsoft Teams にボットとして参加できるため、海外メンバーが混じる会議の議事録づくりでよく選ばれます。この記事では、できること・料金・3 つの使い方・日本語の実力・録音時の注意までを、はじめての人向けに順番に整理します。
FIG.1 声を聞き取り、その場で文字にし、終了後に要約と「やること」を生成する
つまり Otter は「録音アプリ」ではなく、会議のあとに残る成果物(議事録・要約・タスク)まで自動でつくるのが本質です。手で議事録を書く時間をなくしたい、聞き逃した発言をあとで検索したい、という用途で力を発揮します。
01アカウントの作り方
登録はシンプルで、数分で使い始められます。まずは無料の Basic プランで雰囲気をつかむのがおすすめです。
otter.ai を開く
ブラウザ版のほか、iOS / Android アプリもあります。
アカウントで登録
Google・Microsoft アカウント、またはメールアドレスで登録します。
カレンダーを連携(任意)
Google / Outlook カレンダーをつなぐと、会議に自動参加させる使い方ができるようになります。
02料金(2026 年時点の目安)
プランと価格は変わりやすいので、契約前に必ず公式サイトで最新を確認してください。2026 年時点のおおよその構成は次の通りです。年払いにすると月あたりが大きく下がるのが共通の傾向です。
| プラン | 料金の目安 | 主な中身 |
|---|---|---|
| Basic(無料) | 0 ドル | 月 300 分まで、1 会話 30 分まで。まず試す用 |
| Pro | 年払い 約 8.33 ドル / 月(月払いは約 16.99 ドル) | 月 1,200 分、1 会話 90 分、録音ファイルの取り込みは月 10 本まで |
| Business | 1 ユーザー 年払い 約 19.99 ドル / 月(月払いは約 30 ドル) | ライブ会議の文字起こしが実質無制限、管理機能、1 会話 4 時間まで |
| Enterprise | 個別見積もり | SSO・監査など大規模組織向け |
「分(minutes)」はライブ会議や録音の文字起こしに使える時間のことです。無料の Basic は月 300 分・1 会話 30 分と短めなので、毎日の会議をまるごと議事録化したい人は早めに Pro 以上を検討すると無理がありません。学生・教員向けの割引が用意される時期もあります。
033 つの使い方
Otter の使い方は大きく 3 通り。会議スタイルに合わせて選びます。最初は「録音ファイルのアップロード」から試すと、無料枠でも挙動を確認しやすいです。
会議に自動参加
カレンダー連携で、Zoom / Meet / Teams の会議にボットが自動参加。終了後に文字起こしと要約が届きます。定例会議の議事録化に最適。
録音ファイルを取り込む
手元の MP3 / WAV / MP4 をアップロードすると数分で文字起こし。過去の録音を整理したいときに。
その場で文字起こし
スマホアプリで録音を開始すると、話すそばからテキスト化。対面の打ち合わせやインタビューで便利。
04会議に自動参加するしくみ(Notetaker と Meeting Agent)
自動参加の中心にいるのが、会議にゲストとして入る録音ボット「Notetaker」です。参加者一覧には自分の名前に「Notetaker (Otter.ai)」が付いた形で表示されるので、誰の目にもボットが入っているとわかるのがポイント。録音を内緒で行う仕組みではありません。
FIG.2 カレンダー連携 → ボットが参加 → 文字起こし・要約・タスク → 関係者へ配信
さらに上位の「Meeting Agent」(OtterPilot から続く自動参加ボットの後継)は、ただ記録するだけでなく声で指示できるアシスタントに進化しています。会議中に質問へ答えたり、フォローアップの予定を立てたり、メールの下書きを作ったりと、議事録の枠を超えた働きをします。ただし高度な機能ほど上位プラン前提のことが多いので、必要な機能が自分のプランに含まれるかは事前に確認しましょう。
05主な機能
記録だけでなく「あとで使える」ところまで踏み込んでいるのが Otter の特徴です。
- 話者識別:誰が何を言ったかを自動で分けて表示
- リアルタイム文字起こし:話しているそばからテキスト化
- AI 要約・アクションアイテム:会議後に要点と「やること」を自動生成
- スライドの取り込み:画面共有された資料を自動でキャプチャ
- Otter Chat(横断質問):「先週のマーケ会議の結論は?」のように、過去の会議全体に質問できる
Otter の価値は録音そのものより、あとから検索・質問できる「会議の記憶」になることにある。
とくに Otter Chat は、1 つの議事録の中だけを見る従来の AI チャットと違い、保存した会議ライブラリ全体を横断して答えを探せます。過去の決定事項やタスクを掘り起こすのに向きます。
06日本語の実力(2026 年時点)
Otter は 2025 年 11 月から日本語のリアルタイム文字起こしに正式対応しました。対応言語は英語・スペイン語・フランス語・ドイツ語・日本語・中国語(簡体字)の 6 言語で、日本語はそのうちの 1 つとして正式サポートされています。以前のように「とりあえず英語ツールを日本語で使う」段階からは前進しています。
| 向いている場面 | 注意が必要な場面 |
|---|---|
| クリアな音声・静かな環境の会議 | 雑音が多い/複数人が同時に話す会議 |
| 英語・グローバル会議の議事録化 | 専門用語・人名・社名が多い日本語会議 |
| 1 つの言語で進む会議 | 日英が入り混じる会議(1 度に 1 言語のみ対応) |
注意したいのは、Otter は1 つの会議で同時に扱える言語が 1 つという点。日本語と英語が混ざる会議では、どちらかに寄って認識が乱れることがあります。日本語専用で精度を最優先するなら、この章の比較記事で扱う Notta などの国産ツールも候補に入れて、自分の会議の音声で実際に試して比べるのが現実的です。
07Zoom / Teams / Meet との連携
主要な会議ツールにそれぞれ対応しています。組織で使う場合は管理者の許可が要ることもあるので、事前に情報システム部門と相談しておくとスムーズです。
- Zoom:カレンダー連携でボットが会議に参加。終了後に要約が届く
- Microsoft Teams:組織のポリシーによっては管理者承認が必要。承認のうえ会議に参加させる
- Google Meet:同じくボット参加に対応。会議リンクを含む予定に自動で入る設定も可能
いずれもカレンダーに登録された会議リンクを見て自動参加するのが基本の流れです。単発の会議だけ記録したいときは、自動参加をオフにして手動で呼ぶ運用にもできます。
Privacy & Consent
録音は「全員に見える」前提で、同意と社内規程を先に
会議を AI で録音・文字起こしすると、その内容はクラウドに保存されます。だからこそ、技術以前に「録っていいか」を整えるのが先決です。Otter のボットは参加者一覧に名前が出るので隠れて録ることはできませんが、名前が出る=同意が取れている、ではありません。
FIG.3 「参加者の同意」「社内規程・NDA」「保存先の確認」が揃ってから録る
実務では、(1) 会議の冒頭で「Otter で録音・文字起こしします」と口頭でも告げる(とくに社外参加者がいるとき)、(2) クライアント会議で使う前に先方の同意と NDA の範囲を確認、(3) 録音データの保存先や学習利用の扱いはプランや規約で条件が異なるため公式の最新規約を確認、の 3 点を最低ラインにします。会話は共有 / 非共有を選べ、不要になれば手動で削除できます。未公開・機密性の高い会議は、規約とプラン条件を確かめ、必要ならローカル完結の文字起こしなど別手段も検討してください。
08よくある勘違い
- 「文字起こしは完璧」:静かな環境では高精度ですが、専門用語・固有名詞は誤認識する前提で、配布前に人が読み直して直すのが安全です。
- 「無料で何会議でも回せる」:無料の Basic は月 300 分・1 会話 30 分という上限があります。常用するなら有料プラン前提で考えます。
- 「日本語と英語が混ざる会議もそのまま」:1 度に扱える言語は 1 つです。混在会議は認識が乱れやすいので、主要言語を決めて使います。
- 「機密会議もそのまま使える」:未公開情報を含むなら規約・プラン条件・保存先を確認し、必要なら別手段を選びます。
次の記事では、日本語会議に向くかどうかという観点で tl;dv / Notta / Fireflies を比較します。自分の会議の音声で各ツールを試し、精度・料金・連携のバランスで選ぶのがおすすめです。