プライバシーを守りながら使う基本

AI Navigate Original / 2026/5/16

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要点

  • AI 入力はサーバー送信、生活でも家族情報を守る
  • 本名/健康/子供/認証/マイナンバー/位置情報は入れない
  • 学習 OFF・一時モード・履歴定期削除を使う
  • 抽象化して質問、写真マスキング、音声は静かに、子供利用に注意

AIに質問するとき、入力した文章はそのサービスの会社のサーバーに送られて処理されます。仕事の機密ほど厳しく考える必要はありませんが、家族の個人情報・健康・お金まわりは、ちょっとした習慣で守れます。このページは「何を入れない方がいいか」「どの設定を切ればいいか」を、主要3サービス(ChatGPT・Gemini・Claude)の2026年時点の実際の仕様にそって具体的に整理します。

あなた 入力した文章 AIサービス のサーバー 会社が運営 履歴に保存 回答を生成 学習・人の確認 設定で 止められる

FIG.1 入力は必ずサーバーへ。保存・人による確認・学習は設定で減らせる

01まず「入力しない方がよい情報」を覚える

設定をどういじっても、そもそも入れなければ漏れないのが一番確実です。次の情報は、AIに直接打ち込まないことを基本にしましょう。

  • 家族の本名・住所・電話番号(フルネーム+住所の組み合わせは特に避ける)
  • 健康情報(具体的な病名・薬の名前・通院先・心の悩みの詳細)
  • 子供の写真・通学先・生年月日
  • 口座番号・カード番号・パスワード・暗証番号
  • マイナンバー・運転免許証番号・パスポート番号
  • 自宅が特定できる位置情報(最寄り駅+間取り+勤務先など複数の手がかり)

ポイントは「単体では平気でも、複数を組み合わせると個人が特定できる」こと。名前と勤務先と最寄り駅を別々のチャットで話しても、同じアカウントの履歴にまとまって残ります。

02抽象化して質問するコツ

固有名詞や数字を、AIに伝わる範囲でぼかしてから質問すると、回答の質を保ったまま個人情報を出さずに済みます。具体的すぎる情報は、たいてい回答には不要です。

避けたい書き方同じ用が足りる書き方
太郎(8歳)が宿題を嫌がる小学2年の子が宿題を嫌がる
渋谷区◯◯町の引越し業者を探したい都内23区で引越し業者を探したい
夫が浮気していて…(実名つき)パートナーとの関係が冷えていて…
口座123-456の取引明細を分析してこういう家計データの例を分析して(数字は仮の値に置換)

「子供の年齢を1歳ずらす」「金額を概数にする」程度でも、特定の難しさは大きく変わります。アドバイスの中身はほとんど変わりません。

033つの設定で守る(2026年時点の主要3サービス)

各サービスには、プライバシーに関わる設定が用意されています。ただし初期状態(デフォルト)はサービスごとに違い、しかも変わります。ここでは2026年時点の挙動を整理しますが、画面の名称や初期値は更新されることがあるため、最終的には各サービスの公式設定画面で確認してください。

① 「学習に使わせない」設定

入力データを将来のモデルの学習に使うかどうかは、多くのサービスでユーザーが選べます。「オフにすると学習に使われない」だけでなく、保存期間(リテンション)も短くなることが多いのが重要なポイントです。

サービス学習まわりの操作(2026年時点)
ChatGPT設定 → データコントロール →「すべての人のためにモデルを改善する」をオフ。個人プラン(無料/Plus/Pro)は初期状態でオンなので、自分で切る必要がある。
Gemini「Keep Activity(旧 Gemini Apps Activity)」をオフ(Googleアカウントのアクティビティ設定)。オフにすると新しい会話は学習・人による確認に使われない。自動削除は最短3か月に設定可。
Claude設定 → プライバシー → モデル学習(Model Training)をオフ2025年後半から個人プランは初期状態で学習オンに変わったので、過去に「Claudeは学習しない」と聞いていても今は要確認。オフにすると保存期間が短く戻る。

「Claudeは学習に使わない」はもう古い情報。各サービスとも初期値は変わるので、思い込みで判断しない。

なお、会社向けプラン(法人・Enterprise・API経由)は、もともと学習に使われないのが一般的です。ここで説明しているのは、あくまで個人が無料・個人プランで使う場合の話です。

② 一時チャット / プライベートモード

「履歴に残したくない・後から消す手間を省きたい」会話には、一時モードが便利です。各サービスとも画面の隅にスイッチがあります。

ChatGPT

「一時チャット(Temporary Chat)」。履歴に残らず、学習にも使われない。

Claude

「シークレット(Incognito)チャット」。履歴とメモリに保存されない。

Gemini

「一時チャット」。最近のチャットに残らず、学習・パーソナライズに使われない。

誤解しやすい注意点:「一時=即時に完全削除」ではありません。どのサービスも、安全確認や不正利用対策のために短期間(数十時間〜30日程度)はコピーを保持するのが普通です。一時モードの主な効果は「履歴に残さない/学習に使わせない」であって、瞬間消去ではないと理解しておきましょう。

③ 履歴の定期削除

使い続けると会話履歴がたまります。3か月に一度くらい、古い会話を見直して削除する習慣をつけると安心です。多くのサービスで「設定 → データ管理 → エクスポート → 削除」の流れがあり、自動削除の期間を設定できるものもあります(例:Geminiは自動削除の最短が3か月)。

04写真をアップする時の注意

画像をAIに読ませる機能は便利ですが、写真には本人が意図しない情報が写り込みがちです。アップロード前にひと呼吸おいて確認しましょう。

ナンバー 表札 そのままの写真 マスキング 隠してからアップ 安全にAIへ

FIG.2 顔・ナンバー・表札などを隠してからアップロードする

  • 顔・車のナンバープレート・表札や住所表示はマスキング(塗りつぶし)する
  • 子供の顔写真は基本的にAIへ入れない
  • 処方薬の名前・薬局の袋が写っていないか確認する
  • クレジットカード・身分証・通帳は絶対にアップしない
  • 背景の郵便物・カレンダー・PC画面に情報が写っていないかも見る

05音声入力の盲点

音声入力は手軽ですが、マイクは言おうとしていないことまで拾います。とくに公共の場では注意が必要です。

  • 周囲の会話が一緒に録音される(カフェ・電車内・職場)
  • 家族や同僚の名前が会話の流れで混ざる
  • テレビ・ラジオ・通話の音が背景で入り込む

込み入った内容は静かな場所で、またはテキスト入力に切り替えて整理してから送ると安全です。

06子供とAI:年齢のルールはサービスで違う

「子供にAIを使わせていいか」は、まず各サービスの年齢制限を知ることから始まります。2026年時点では、3サービスで条件がはっきり分かれています。

サービス年齢・子供向けの扱い(2026年時点)
ChatGPT13歳以上(13歳未満は不可)。13〜17歳は保護者の同意が前提で、保護者管理機能(アカウント連携、利用できない時間帯の設定、表現フィルタ、メモリ無効化など)が用意されている。
Gemini同じく13歳以上が基本。利用は保護者のGoogleアカウント設定(ファミリー管理)と合わせて考える。
Claude18歳以上が必須で例外なし。保護者管理機能はなく、話題の制限や時間制限、子供の会話履歴の確認といった仕組みも用意されていない。子供に使わせる前提のサービスではない。

子供がAIに触れる場合は、親のアカウントで横について見守る、個人情報を入れないよう声かけする、年齢に合ったサービスと管理機能を選ぶ、が基本です。家庭でのルール作りは「家族・子供とAI」の記事で具体的に扱います。

07規約違反になる使い方

プライバシーとは別に、やってはいけない使い方もあります。次のような利用は各サービスの規約で禁止されていて、AIが回答を拒否するだけでなく、繰り返すとアカウント停止につながることがあります。

  • 違法行為の具体的な相談(薬物・武器の製造など)
  • 特定の他人を傷つける・脅す・つきまとう目的の利用
  • 未成年が関わる不適切なコンテンツの生成・依頼
  • 他人になりすます、詐欺に使う

これらは安全のために検知・記録される場合があります。「冗談のつもり」でも履歴に残るため、入力しないのが賢明です。

08うっかり入れてしまった時の対処

個人情報を入力してしまっても、慌てず順番に対処すれば被害は抑えられます。

01

その会話を削除する

該当のチャットを履歴から削除する。一時/シークレットモードでなければ、まずここから。

02

学習設定を確認・オフにする

「学習に使う」がオンだった場合は、ここでオフに。今後の会話が学習対象から外れる。

03

データ削除を依頼する

各サービスのプライバシー窓口(プライバシーセンターやサポート)から、データ削除のリクエストを送る。

04

影響の大きい情報は別途対応

カード番号や口座番号を入れてしまった場合は、AI側の対処に加えて、カード会社・銀行への連絡やパスワード変更も検討する。

なお、すでに人による確認や学習の処理に入ったデータは、削除しても痕跡が一定期間残ることがあります(サービスにより数十時間〜数年)。だからこそ、「入れない」「学習をオフにしておく」という事前の備えが効きます。

09まとめ:完璧でなくていい、習慣で守る

プライバシーは「完全に隠す」必要はありません。名前や数字を少しぼかす・写真を確認する・学習設定をオフにしておく・一時モードを使う——この4つを習慣にするだけで、日常使いのリスクは大きく下がります。設定の名称や初期値は変わるので、年に一度は各サービスの設定画面を見直しましょう。次は、家族みんなで安心して使うためのルール作り「家族・子供とAI」へ進みましょう。