やることはひとつだけ。アカウントを 1 つ作って、最初の質問を投げてみる。これで AI の手触りがつかめます。ChatGPT・Claude・Gemini は登録の流れがほぼ共通なので、まとめて手順を整理し、各社で実際に違う点(特に電話番号認証)だけを正確に補足します。専用アプリは不要、ブラウザだけで数分です。
FIG.1 3 サービスに共通する「開く → 登録 → 本人確認 → チャット」の流れ
01始める前に:迷うより、まず 1 つ
どれが自分に合うかは比較記事で扱いました。ここでの目的はとにかく 1 つ作って動かすこと。3 つに共通するのは次の点です。
- 専用アプリは不要。ブラウザでそのまま使える(スマホアプリもあるが後で十分)
- どれも無料で試せる範囲がある。最初は無料で十分
- 登録は基本「サイトを開く → サインアップ → 本人確認 → チャット画面」
共通の流れは ① 公式サイトを開く → ② Sign up → ③ Google / Apple / Microsoft かメールで登録 → ④ 確認コード/メール認証 → ⑤ 規約に同意 → ⑥ 簡単な初期設定 → ⑦ チャット画面へ。Google などの SSO(既存アカウントでログイン)が最速です。パスワード作成を省けるうえ、すでに本人確認済みの認証情報が渡るため、後述のように電話番号認証まで省けるケースがあります。
02サービス別:登録手順と本人確認の違い
流れは同じでも、本人確認の厳しさだけは各社で異なります。ここが一番つまずく部分なので、2026 年時点の実状を表で押さえておきます。
| サービス / URL | 登録と本人確認の実状(2026 年) |
|---|---|
| ChatGPT chatgpt.com | メール、または Google / Apple / Microsoft で登録。メール認証は必須。電話番号(SMS)認証は地域・利用状況・VPN 利用時などに求められることがある(常に必須ではない)。 |
| Claude claude.ai | メール、または Google で登録。メール登録だと SMS 認証が求められるのが基本。ただし「Continue with Google」で登録すると電話番号認証を省けることが多い。VoIP・仮想番号は弾かれるため、実在の携帯番号を使う。 |
| Gemini gemini.google.com | 既存の Google アカウントでログインするだけ。新規サインアップや別途の電話認証は基本不要。会社の Google Workspace アカウントは管理者が Gemini を有効化していれば利用可。 |
URL は直接入力が安全です(似たドメインの偽サイトに注意)。「どれにしようか」で止まっているなら、すでに Google アカウントを持っている人は Gemini か、Claude を Google で登録が一番ひっかかりません。
FIG.2 Claude などでは「Google で登録」かどうかで電話番号認証の有無が変わりやすい
03つまずきポイントと対処
電話番号認証で進めない
実在する日本の携帯番号を使う。SMS が届かないときは数分待つ/回線を変える。固定電話・VoIP・一部の格安 SMS(仮想番号)は弾かれます。Claude でメール登録が通らなければ「Continue with Google」に切り替えると解決することが多い。
確認メールが来ない
迷惑メール(スパム)フォルダを確認。数分待って再送する。
ログイン後に画面が真っ白
広告ブロッカーなどの拡張機能を一時停止してリロード、または別のブラウザで開く。
「あなたは人間ですか?」テスト
表示どおりにチェックして進めば OK(reCAPTCHA。ボット対策の標準的な確認)。
Gemini が会社アカウントで開けない
Workspace 管理者が Gemini を有効化していない可能性。IT 管理者に「Gemini アプリを有効にしてほしい」と依頼する。
04初めての対話:まず投げる 3 つの質問
アカウントができたら、次の 3 種類を試すと「どんな道具か」が一気に分かります。どれも特別な準備は要りません。
整理・要約
手元の文章を貼って「この文章を 3 行に要約して」。AI が最も得意なタスク。
言い換え
「この文章を、もっとやわらかく丁寧な言い方に直して」。トーン調整が手早い。
下書き作成
「明日の会議の日程変更を上司に丁寧に伝えるメールの下書きを書いて」。ゼロから書くより速い。
ポイントは、出力を「下書き」として受け取り、自分で仕上げること。最初から完璧を求めません。70 点が返ってきたら十分で、「短く」「初心者向けに」「箇条書きで」と追記すれば改善できます。
05最初のプロンプトに入れる 4 要素
「何を書けばいいか分からない」が最初の壁です。次の 4 つを軽く入れるだけで精度が上がります。
- 目的:何をしてほしいか
- 前提:自分の状況・条件
- 形式:箇条書き/表/メール文 など
- 制約:文字数、トーン、読み手 など
あなたは〔役割〕です。
〔目的〕を手伝ってください。
前提:〔状況・背景〕
形式:〔箇条書き / 表 / メール文 など〕
制約:〔文字数 / やさしい言葉 / 専門用語なし など〕
具体例(取引先へのお礼メール):
取引先に送る、打ち合わせのお礼メールを書いてください。
前提:昨日のオンライン会議のお礼と、次回までの宿題の確認をしたい。
形式:丁寧なビジネスメール
制約:300 字以内
06うまく答えてくれない時の直し方
1 回目がズレても、全部書き直す必要はありません。差分で指示すれば直ります。
- 対象を明確化:「初心者向けに」「中学生でも分かるように」
- 形式を指定:「表で」「番号付きの手順で」
- 長さを指定:「200 字以内で」「3 案ちょうだい」
- 観点を追加:「実用性を優先」「失礼にならない言い回しで」
さっきの説明を、AI を初めて使う人向けに言い換えて。
専門用語は避けて、手順を 1〜5 の番号で。
最初の答えは完成品ではなく相談相手の一案。差分で直すほど自分の道具になる。
07画面はこの 3 つだけ覚える
名前は各社で少し違いますが、役割は共通です。最初はこの 3 つだけで十分。
| 場所 | 役割と最初にやること |
|---|---|
| 新規チャット | 新しい会話を始める。話題を変えるときに使う。 |
| 履歴 | 過去の会話を開く。前の続きを再利用する。 |
| 設定 | 表示・プラン・アカウント管理。言語・通知・契約状況を確認。 |
おすすめは「1 チャット 1 トピック」。たとえば「履歴書の添削」「Excel の質問」「英文メール」を別々のチャットに分けると、後から見返しやすく、回答も安定します。
08有料プランはまだ後でいい(目安)
まずは無料で十分始められます。無料で物足りなくなったら、次が検討の目安です。
- 毎日たくさん(何十回も)使うようになった
- 長い資料をまとめて扱いたい
- 最新の上位モデルや高度な機能(エージェント等)を使いたい
2026 年時点では、3 社とも個人向けの主力プランがおおむね月 20 ドル前後に揃っています(ChatGPT Plus / Claude Pro / Google AI Pro)。ただし料金・プラン名・無料枠の上限は頻繁に変わります。一律に「これは無料/これは有料」と決めつけず、最新は各社の公式ページで確認してください。会社で使うなら「入力を学習に使わない・監査できる」業務向けプラン/設定を選びます。
Safety First
最初に知っておく安全の 3 か条
便利な道具ですが、過信は禁物です。次の 3 点だけ頭に入れておけば、初日から安全に使えます。
FIG.3 初日から守りたい安全の 3 か条
- 機密は入れない:個人情報・社外秘・パスワードはそのまま貼らない。無料/個人プランは入力が学習に使われ得る前提で扱う。
- 出力を検証する:AI はもっともらしい誤り(ハルシネーション)を出すことがある。数字・固有名詞・引用は一次情報で確認する。
- 操作は最小権限・要承認:外部連携やエージェント機能を使うときは、与える権限を最小に、重要な操作は人が承認する形にする。
09まとめ
むずかしくありません。1 つアカウントを作って、3 つの質問(整理・言い換え・下書き)を投げるだけ。覚えるのは高度なテクニックではなく、新規チャット/履歴/設定の場所と、プロンプトの 4 要素(目的・前提・形式・制約)です。登録で迷ったら、すでに使っている Google アカウントを生かすのが一番ひっかかりません。最初は完璧を狙わず、短い依頼を数回。次は、回答の質をさらに上げるプロンプトの書き方に進みましょう。



